GetBackers-奪還屋- x フェルマーの最終定理
GetBackers-奪還屋- 27巻 から「フェルマーの最終定理」について
GetBackers-奪還屋-とは?
原作:青樹佑夜
作画:綾峰欄人
『週刊少年マガジン』に1999年から2007年まで連載されていた漫画である。
主人公は美堂蛮と天野銀次のコンビで、裏新宿を中心に依頼者の奪われた物を取り返す奪還屋『GetBackers』としての活躍が描かれているバトル漫画ものである。
主人公の一人である美堂蛮は「邪眼」の持ち主で、目を合わせた相手に1分間の幻を見せることができる。
もう一人の主人公である天野銀次は電気ウナギのように体内で発電でき、それを自在に操る。
この二人が依頼人からの無理難題になんやかんやと応えていきながらストーリーが進むのがだが、27巻にその二人の回想回が載っている。
あらすじ
女子高生から飼い犬(ラッキー)を奪還してほしいという依頼を受けるのだが、その飼い犬は紆余曲折を経て、なぜかテレビ番組に天才犬として出演しており、テレビ局に取り合っても返してもらえない。
そんな中、ラッキーが番組に出演していると次の問題が出された。
「3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる自然数の組 (x, y, z)を答えよ。」
それに対し、ラッキーは、
「No Answer」
と回答し、番組内では、さすがにこの問題は天才犬でも答えられませんでしたね。ちゃんちゃん。と締まるのですが、実はラッキーの回答が正解。
この違和感に美堂蛮が気付き、なぜラッキーは正解できたのか?そもそもラッキーはなにものなのか?という疑問を軸にさらにストーリーが展開される。
フェルマーの最終定理とは何?
ここで登場する定理、
「3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない」
というのがフェルマーの最終定理である。
フェルマーって誰?
ピエール・ド・フェルマー(1601年 - 1665年)というフランスの数学者である。
天才数学者と呼ばれる彼には妙な癖があり、それが本の余白に自分の考えを書き残すというものであった。
そこには定理や予想が書き込まれていたが、その証明は十分なスペースが無いこともあり、省略されていることが多かった。
余白に書き込まれたこれらの予想の内の1つが最終的にフェルマーの最終定理と呼ばれることになった。
フェルマーの最終定理はなぜこんなに有名なのか?
彼の残した他の書き込みは、全て真か偽かの決着がつけられた。しかし、この予想だけは、誰も証明することも反例を挙げることもできなかった。
フェルマーが残した予想だったため、また、内容自体は三平方の定理がわかれば理解できるものであったため、数多の数学者が本問に挑んだものの、結論付けることができなかったのである。
このため、とうとうこの問題を解決した者に賞金が出されることになった。
1823年:フランス科学アカデミーが懸賞金をかけたが証明者は現れず。
1850年:フランス科学アカデミーは再び懸賞をかけたが、受賞者はいなかった。
1908年:パウル・ヴォルフスケール(資本家)が再び懸賞金をかけた。
三度に渡り、賞金を懸けたが結局結論が出ず。
解決したの?
解決しました。
フェルマーの死後330年経った1995年にイギリスの数学者アンドリュー・ワイルズによって完全に証明されている。
まとめ
・GetBackers-奪還屋-には学びのきっかけとなるネタが多数仕込まれている
・フェルマーの最終定理はシンプルな問題だが、なかなか解決できなかった
・死後330年経った1995年にようやく解決
連載されていた当時にこれを読み、数学を身近に感じるきっかけになった。
実はこのように数学の未解決問題を題材にしている漫画は意外に多く、例えば下記のようなものもある。
電波教師 12巻